【第33回】「とりあえずSUS304・A5052」で大丈夫?入手性とコストで得する標準材の選び方
2026/08/07
こんにちは、SOUKEIの竹澤です。
新シリーズとして今回からスタートするのは、材質や表面処理の「選定」に潜む落とし穴についてです。
図面を描くとき、あるいは設計者様から上がってきた図面をチェックするとき、
金属の材質ってどのように選んでいますか?
「昔から使っている実績があるから」 「なんとなく一番メジャーだから」
という理由で、ステンレスならとりあえず「SUS304」、アルミなら「A5052」と指定していないでしょうか。
実は、この「とりあえずメジャーな材質」という選び方が、
加工の手間や材料コストを無駄に増やしていることが多々あります。
今回は、加工性や入手性の視点から見た「得する材料選び」について本音でお話しします。
🔪 「SUS304」と「SUS303」の削りやすさの違い
ステンレス加工で一番よく使われる「SUS304」。耐食性が高くて素晴らしい材料ですが、
加工現場の目線から見ると「粘りがあって削りにくく、刃物が痛みやすい材料」でもあります。
もしその部品が、溶接をしない「削り出しの機械加工品」であれば、「SUS303」に
変更できないかを一度検討してみてください。
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SUS304:耐食性・溶接性に優れるが、切削加工では削りにくく工賃が上がりやすい
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SUS303:快削成分が含まれており、サクサク削れるため加工時間が短縮できる
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後から溶接を行わない単品の切削部品なら、SUS303に変えるだけで加工時間が一気に縮まり、
結果として見積もり金額が下がるケースがよくあります。
削り出しなら「A5052」より「A2017(ジュラルミン)」や「A6061」?
アルミといえば「A5052」が最も一般的ですが、これも用途によって向き不向きがあります。
板曲げ(板金)加工にはA5052が最適ですが、ブロックからゴリゴリ削り出すようなマシニング加工だと、
材料が柔らかすぎてバリ(削り残しの引っかかり)が出やすくなります。
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A5052:板金や曲げ加工に向いている。切削だとバリ取りの手間がかかることも
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A2017 / A6061:硬度があり、切削面が綺麗に仕上がりやすく、削り加工のスピードも上がる
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「アルミだからA5052」と一律で指定するのではなく、削り出しメインの部品であればA2017などに
変更したほうが、現場の仕上げ作業(バリ取り)が減ってトータルコストが下がることもあります。
💡 流通性の高い「標準サイズ」を意識する
もう一つ大切なのが、市場に常時流通している「標準サイズ(規格サイズ)」を意識することです。
例えば、厚みや幅が特殊な材料を指定してしまうと、材料屋さんで特注の板を切り出してもらう必要が出たり、
わざわざ大きな材料を買ってきて不要な部分をガッツリ削り落とすハメになります。
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材料を無駄に削る時間(工賃)
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捨ててしまう分の材料費
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このダブルの無駄が発生してしまうのです。
「図面の寸法に合わせて材料を作る」のではなく、
「市場にある規格サイズの材料から効率よく作れる寸法に収める」という発想を持つだけで、
コストも納期も劇的に改善します。
📊 次回予告:メッキや熱処理を入れると、なぜ納期が跳ね上がるのか?
材質選びと同じくらい納期やコストを左右するのが「表面処理(メッキ・アルマイト)」や「熱処理」です。
次回(第34回)は、「メッキ・アルマイト・熱処理を入れると、なぜ納期が一段と伸びるのか?
現場の物流と手配の裏側」について解体します!
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!また次回お会いしましょう!
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