【第35回】表面処理の指示でよくある失敗と、現場が迷わない図面指示
2026/08/13
こんにちは、SOUKEIの竹澤です。
材質・表面処理の落とし穴編、最終回となる今回は「表面処理の指示で現場がよく陥るトラブルと、その防衛策」についてお話しします。
削り上がった部品にメッキやアルマイトなどの表面処理を施す際、図面の指示が少し曖昧なだけで、完成後に「ネジが入らない!」「寸法が変わって組み立てられない!」というトラブルが頻発します。
今回は、表面処理でよくある失敗パターンと、現場が迷わず一発で加工・処理を進められる図面指示のコツを解体します。
⚠️ 失敗例1:膜厚による「ねじの嵌め合い不良」と「寸法変化」
表面処理で一番多いトラブルが、「メッキの厚み(膜厚)で寸法が変わってしまうこと」です。
例えば、無電解ニッケルメッキやハードクロムメッキ、アルマイト処理を行うと、表面に数μm〜数十μmの膜が付着(または浸食)します。
これを計算に入れずに、加工段階で図面通りのピッタリな寸法やタップ(めねじ)を立ててしまうと、処理後に以下のような問題が起きます。
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メッキの厚みでネジ穴が小さくなり、ボルトが入らなくなる
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厳しく指示した軸径が、メッキ後に公差上限をオーバーしてしまう
これを防ぐためには、図面に「※メッキ後寸法」「※処理後公差」と明記するか、めねじの場合は「※メッキ用オーバーサイズタップ加工」と指示を添えておく必要があります。この一言があるだけで、現場はあらかじめメッキの膜厚分を計算して削ったりタップを立てたりしてくれます。
⚠️ 失敗例2:マスキング(処理不要箇所)の指示漏れ
「この面は導電性を保ちたいからメッキをつけたくない」
「この穴はベアリングを圧入するから、アルマイトをつけたくない」
こうした要望がある場合、処理をつけたくない部分を覆う「マスキング作業」が必要になります。
しかし、図面に指示がないと、処理屋さんは部品全体をどっぷり槽に浸けてしまい、全面に処理がかかって届いてしまいます。後から「ここにはメッキをつけないでほしかったのに…」と言っても、時すでに遅しです。
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マスキングしてほしい範囲を赤線などで明確にする
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「※A面・Φ10穴内面はマスキングのこと(メッキ不可)」と注記する
これらを事前に指示しておくことが、手戻りを防ぐ最大のポイントです。
💡 迷ったら「仕様選定の段階」から相談してください
全3回にわたって、材質選びや表面処理の裏側についてお話ししてきました。
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標準材や市場規格サイズを意識して選ぶ
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後工程(メッキ・熱処理)の移動時間やバッチ待ちを考慮する
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膜厚変化やマスキングの指示を明確にする
こうしたポイントをひとつ抑えるだけで、無駄なコストや納期遅れ、品質トラブルは劇的に減らすことができます。
「この材質とメッキの組み合わせで、寸法変化は大丈夫かな?」
「もっと納期を縮められる別の処理はないかな?」
そう迷ったときは、図面が確定する前でも構いませんので、ぜひお気軽にSOUKEIにご相談ください。現場の目線で、一番リスクが低くスマートな選定を一緒に考えさせていただきます!
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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