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【第56回】「指示なき角R」や「表面粗さ」で泣かない!現場の暗黙の了解を埋める事前すり合わせ

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【第56回】「指示なき角R」や「表面粗さ」で泣かない!現場の暗黙の了解を埋める事前すり合わせ

【第56回】「指示なき角R」や「表面粗さ」で泣かない!現場の暗黙の了解を埋める事前すり合わせ

2026/10/21

こんにちは、SOUKEIの竹澤です。

 

「図面と現場の乖離」をテーマにお届けしてきたこのシリーズも、今回で最終回となります。

 

前回(第55回)は過剰品質な図面に対するVA提案のコツをお話ししましたが、今回はその逆パターンです。

 

「図面に明確な指示が書かれていない(または一般的な注記しかない)ため、加工屋さんの解釈と受け取り側の基準がズレてトラブルになるケース」を解体します。

 

図面上は「図面通り」に作られているはずなのに、納品後に「こんなはずじゃなかった」と現場が混乱する裏には、加工現場特有の「暗黙の了解」が存在します。

 

⚠️ トラブル1:「指示なき面取り(角R)」の認識ズレ

図面の注記によくある「指示なき角部はC0.5面取りのこと」という表記。

 

  • 受入側の認識: 手で触っても絶対に痛くない、きれいにバリが取れた状態。

  • 加工屋の認識: 機械加工の最後についででカッターを通しただけ(あるいは手作業で軽くやすりを当てた状態)。

組み立て時に「相手部品と干渉する」「バリがわずかに残っていてケガをしそう」といったクレームになりやすいポイントです。特に組み付け面や作業者が素手で触る箇所については、「どこを重点的に面取りしてほしいか」を事前に一言添えるだけで防げます。

 

⚠️ トラブル2:「仕上げ記号(表面粗さ)」と「外観キズ」の違い

「Ra3.2」や「三角マーク(▽▽)」といった表面粗さの指示は、あくまで「刃物が削った痕(ツールマーク)の深さ」を規定するものです。

 

現場でよく問題になる「搬送中についた微細な擦りキズ」や「材料購入時からある引き抜き材の目立たない凹み」などは、表面粗さの規格内であっても「外観不良」として弾かれてしまうことがあります。

 

加工屋さんは「公差も粗さも図面通りなのに、なぜ不良になるのか」と困惑します。「機能部品だから外観キズは問わない」のか「見栄え重視の外装品だからキズ厳禁」なのか、図面に乗らない使用目的のニュアンスを伝えておくことが極めて重要です。

 

⚠️ トラブル3:「熱処理後」の寸法変化と変形

「焼入れ」や「メッキ」などの後工程がある部品で、図面寸法が「処理前の寸法」なのか「処理完了後の完成寸法」なのかがあやふやなケースです。

 

熱処理をかけると金属は必ずわずかに歪んだり膨張・収縮したりします。加工屋さんが「処理前」のつもりで公差ピッタリに削ってしまうと、熱処理から戻ってきたときに寸法外れを起こします。

 

💡 暗黙の了解を「言葉」にして渡すのが調達のプロ

加工屋さんは超能力者ではありません。図面という記号化された情報だけでは、「その部品がどこで、どう使われるのか」までは読み取れないのです。

 

  • 「ここは人が素手で触る場所です」

  • 「ここはカバーで隠れるので外観キズは気にしません」

  • 「熱処理後の完成寸法でこの公差に入れてください」

図面を渡す際に、こうした「たった一行のメモ」や補足情報を添えるだけで、現場の勝手な解釈による不良率は劇的に下がります。

 

🤝 現場のコミュニケーションをシームレスにつなぐ

SOUKEIでは、単に図面を協力工場に回すだけでなく、図面の行間にある「お客様の本当のこだわり」や「用途」を噛み砕いて現場に伝えています。

 

「図面通り作ればいい」ではなく、「お客様の現場でそのまま気持ちよく使ってもらえる状態」で納品する。それこそが、僕たちが目指す交通整理の姿です。

 

全6回にわたる「最適な工場選定」と「図面と現場の乖離」シリーズをお読みいただき、ありがとうございました!

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