【第55回】設計と現場の間を取り持つ!調達担当者ができる「図面の翻訳」とVA提案
2026/10/18
こんにちは、SOUKEIの竹澤です。
前回(第54回)は、一律の厳格な公差や過剰な仕上げ指示など、加工コストを跳ね上げている
「過剰品質(オーバースペック)な図面」の共通点を解説しました。
こうした図面を見つけたとき、調達担当者様が直面するのが「設計担当者へのアプローチの難しさ」です。
加工屋さんから「ここを緩めてくれたら安くできるのに」と言われても、そのまま設計者に
「安くしたいので公差を緩めてください」と伝えると、「機能に影響が出たら責任取れるのか?」
「設計の意図を分かっていない」と角が立ってしまいがちです。
今回は、設計者に嫌がられず、スムーズに納得してもらうための「図面の翻訳術」と
具体的なVA(価値分析)提案のステップを解体します。
💡 ステップ1:「理由」ではなく「代替案」を持っていく
設計者が嫌がるのは、「ただ緩めてくれ」という根拠のない要求です。
重要なのは、加工屋さんの専門知識を借りて「この条件に変更すれば、機能・強度を100%保ったまま加工費が〇割下がります」という具体的な代替案をセットで提示することです。
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NGな聞き方: 「この穴の公差(±0.005)、厳しすぎて高いので緩められませんか?」
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OKな聞き方: 「加工屋さんから『ピンの立て込み位置でなければ、±0.02まで緩めると研磨工程が1つ減って単価が30%下がる』と提案がありました。ここは位置決め穴でしょうか、それとも逃げ穴でしょうか?」
このように「機能の確認」という形で尋ねると、設計者も「それなら逃げ穴だから±0.05で大丈夫だよ」と
判断しやすくなります。
💡 ステップ2:設計者が首を縦に振る「3大VA提案パターン」
現場で特に効果が高い定番の提案パターンを3つ知っておくだけで、会話の質が劇的に変わります。
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「内角R」の拡大提案
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提案内容: 「ピン角(R0)指示のところに、刃物径に合わせた R1.5 や R2 を付けさせてもらえませんか?」
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効果: 放電加工や極小刃物でのちまちま削りが不要になり、通常のエンドミルで一気に削れるため加工時間が半減します。
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「逃げ溝(アンダーカット)」の追加
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提案内容: 「直角のコーナーに小判型の逃げ加工(R逃げ)を入れてもいいですか?」
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効果: 相手部品をきっちり奥まで差し込む機能を保ちつつ、刃物のR残りを解消できます。
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「分割(2部品化)」または「一体化」の検討
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提案内容: 「深くて複雑な削り出しになっている部分を、2つの単純な部品に分けてボルト止め(または溶接)にしませんか?」
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効果: 巨大な材料からの削り出し(材料廃棄ロス+長時間加工)を回避でき、劇的なコストダウンにつながります。
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🤝 「設計 vs 現場」の板挟みを解消するSOUKEIの役割
調達担当者様がひとりで図面を読み解き、設計者と加工屋さんの間に立って調整するのは、
非常に骨が折れる作業です。
SOUKEIでは、図面をお預かりした段階で「どこをどう変えれば加工費が下がるか」の
VA提案書を弊社で作成し、図面上の代替案として調達担当者様にお渡ししています。
調達担当者様は、その提案書を社内の設計担当者様に見せるだけ。設計者のプライドを傷つけず、
社内マーケティングをスムーズに進めるための「武器」としてご活用いただけます。
📊 次回予告:「指示なき角R」や「表面粗さ」でトラブルにならないための事前すり合わせ
次回(第56回)は、図面と現場の乖離編の最終回!「図面に書かれていない
“現場の暗黙の了解”で不具合を出さないための事前チェックポイント」について解説します!
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!また次回お会いしましょう!
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