【第59回】「規格材(定尺)」を意識するだけ!材料の手配と切断コストを劇的に減らす工夫
2026/10/30
こんにちは、SOUKEIの竹澤です。
「町工場目線の現場発注術」シリーズの3回目は、加工費ではなく「材料の手配と切断コスト」にスポットを当てます。
図面の手配を行う際、「外形寸法が巾55mmだから、60mmのブロック材から削り出せばいいだろう」と単純に考えていませんか?
実は、金属材料(鉄・アルミ・ステンレス・樹脂など)には、製鉄メーカーや材料問屋が作っている「標準の市場規格寸法(定尺・規格プレート)」というものが決まっています。
この「材料の規格」を少しだけ意識して図面を引く、あるいは手配条件を調整するだけで、町工場の材料手配の手間と切断費用(材料費)を劇的に下げることができます。
今回は、現場が泣いて喜ぶ「規格材を活かしたスマートな手配術」を解体します。
⚠️ 知らずにコストを増やしている「中途半端な外形寸法」
例えば、アルミの四角いブロック部品を作るとします。
-
図面指示の外形寸法:巾 55mm × 厚み 25mm
一見、なんの変哲もない寸法に見えますが、材料問屋の標準規格プレートには「巾50mm」「巾60mm」「巾70mm」といったキリの良いラインナップが主流です。「55mm」という規格は存在しないことが多くあります。
この場合、町工場はどうするかというと、「わざわざ大元の大きな板材(60mm以上)から、切断機で55mm幅に切り出す」という追加工程を挟むか、「60mmの材料を買ってきて、55mmになるまでフライスで削り落とす(削り捨て)」ことになります。
つまり、たった数ミリの中途半端な寸法のために、
-
材料切断費(あるいは無駄に捨てる切り屑の材料費)
-
切断・黒皮(黒い表面皮膜)引きの加工時間 がダブルで余分に発生し、見積もり金額を押し上げてしまうのです。
💡 現場が大喜びする「規格材活用」の2つのアクション
こうした無駄な材料費と工数を削るために、調達担当者様ができるアプローチは非常にシンプルです。
1. 「黒皮(みがき材・フラットバー)のままで良い面」を許容する
外形寸法が市場にある規格サイズ(例:厚み12mm、巾50mmなど)と一致している場合、設計者に「外周は切削仕上げせず、材料の元の面(黒皮や引き抜き面のまま)でOKか?」を確認します。 全周を削り直す必要がなくなれば、材料をカットして穴を開けるだけで完成するため、加工時間は半分以下になります。
2. 寸法変更の「逆提案」を設計者・現場に行う
加工屋さんから「この55mmという幅、60mm(または50mm)にできれば規格プレートがそのまま使えるので、材料費が3割下がりますよ」という声を聞いたら、チャンスです。 そのまま設計者に「周りの部品と干渉しなければ、幅を規格サイズの60mmに変更しても良いでしょうか?」と確認を入れるだけで、一発でコストダウンが成立します。
🤝 小さな町の材料屋さん・加工屋さんの負担を減らす
小さな町工場では、自社で巨大なバンドソー(材料切断機)を持っておらず、材料問屋に1本ずつカットして納入してもらっているケースが多々あります。
カット回数が増えれば増えるほど「切断賃」が積もっていきますし、問屋での納期も1〜2日遅れる原因になります。
「規格材のまま使える図面」や「端切れ(あまり材)を活用しやすい寸法」を意識して手配することは、町工場だけでなく、その先にいる材料屋さんの手間まで軽作業化することにつながります。
📊 次回予告:工場の「空き時間(スキマ稼働)」と「端材」を味方につける手配テクニック
次回(第60回)は、「町工場の片隅に眠っている『端材(あまり材)』の有効活用と、現場のスキマ時間に合わせた賢い発注テクニック」について解説します!
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!また次回お会いしましょう!
----------------------------------------------------------------------
SOUKEI
住所 : 奈良県北葛城郡上牧町片岡台2丁目8−8
電話番号 : 0745-72-5408
大阪エリアの金属加工に対応可能
----------------------------------------------------------------------