【第52回】試作は成功したのに……量産でハマる「加工キャパの壁」
2026/10/09
こんにちは、SOUKEIの竹澤です。
今回は、「加工屋さんの見極め方」の第2弾として、調達現場で非常によくある痛痛しいトラブル「試作はうまくいったのに、量産になった途端に品質や納期が崩れる現象」を解体します。
新規の部品を手配する際、「まずは試作で1〜2個作ってもらい、出来映えが良かったからそのまま量産(100個〜)を発注する」という流れは一般的です。
しかし、いざ量産品が納品されると、「寸法にバラつきがある」「バリが目立つ」「納期が大幅に遅れた」といった問題が発生することがあります。
「同じ工場に同じ図面で頼んだのに、なぜこんなことが起きるのか?」
その裏には、加工現場における「試作と量産の加工プロセスの根本的な違い」があります。
⚠️ 理由1:試作は「職人の腕」、量産は「仕組みと耐久力」
試作の1〜2個を作る際、現場では熟練の職人さんが手作業で細かく調整しながら、言わば「つきっきり」で仕上げていることが多くあります。
しかし、それを50個、100個と作る量産フェーズに入ると、手作業では追いつかないため、プログラムによる自動加工や専用の治具を用いたラインに切り替えます。
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職人が手作業でカバーしていた微小な公差が、自動加工だと再現しきれない
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刃物(工具)が連続加工で摩耗し、後半の製品ほど寸法がブレていく
つまり、「1個作れた」ことと「精度を保って100個作り続けられる」ことは、現場にとっては全く別の技術なのです。
⚠️ 理由2:工場全体の「キャパシティ(収容力)」の限界
試作が得意な小回りの利く工場ほど、工場全体のキャパシティは限られています。
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試作の1個なら、他案件の合間や夜間にスポットでねじ込むことができる
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量産(数日〜数週間機械を占有する仕事)になると、既存の定期案件とバッティングして納期が圧迫される
結果として、納期に追われた現場で検査が雑になったり、無理な加工条件で削って不良率が上がってしまうという悪循環に陥ります。
🛡️ 量産トラブルを防ぐための2つの打つ手
こうした「量産の罠」にハマらないために、調達担当者様が事前に行える対策は2つあります。
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試作の発注時に「量産時のロット数と手配予定」を伝えておく
「これは将来月100個流す予定の部品です」と一言伝えるだけで、工場側は最初から「量産ラインで再現できる加工方法」で試作を作ってくれます。もし「うちのキャパでは量産は無理だ」と判明すれば、試作の段階で別の選択肢を探せます。
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いきなり大ロット化せず「小ロット(数十個)」の中間ステップを挟む
1個からいきなり1,000個に進むのではなく、まずは50個程度の中間ロットで流し、加工の再現性や刃物の持ち具合をテストしてもらう工程を挟むのが安全です。
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🤝 「フェーズに応じた工場選び」を最適化するSOUKEIの視点
「試作が得意な工場」と「量産が得意な工場」は、得意とする設備も組織の仕組みも異なります。
1社の工場に試作から量産までを無理に押し付けると、お互いに不幸な結果になりかねません。
SOUKEIでは、将来の量産計画を見据えた上で、「試作段階から量産適正のある工場を選定する」か、あるいは「試作と量産で最適な工場をスムーズにリレーさせる」という全体設計を行います。
「作れる」だけでなく「安定して作り続けられるか」までを見通すことが、トラブルのない調達への第一歩です。
📊 次回予告:自社開拓の限界を超える「ネットワーク型調達」の使い分け
次回(第53回)は、加工屋の見極め編の締めくくりとして、「自社だけで加工屋を開拓・管理する限界と、SOUKEIのようなファブレスネットワークを賢く使い分けるポイント」についてお話しします!
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!また次回お会いしましょう!
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