【第44回】暗黙の了解だらけの図面を、新しい加工屋さんへ引き継ぐ「3つのコツ」
2026/09/08
こんにちは、SOUKEIの竹澤です。
「町工場の廃業」に備えるシリーズの2回目となる今回は、長年お世話になった加工屋さんから新しい加工屋さんへ手配を切り替える際、一番のハードルとなる「ブラックボックス化した図面の引き継ぎ術」についてお話しします。
長年同じ工場で作ってもらっていた部品ほど、「図面には書かれていない現場のカン」や「暗黙の了解(職人さんの手加減)」が積み重なっています。
そのため、図面データだけをそのまま別の加工屋さんに渡すと、寸法通りなのに「組み立たない」「バリが残っている」「質感が違う」といったトラブルが多発します。
今回は、こうした「再現不能な図面」を安全に引き継ぐための3つのポイントを解体します。
1. 「過去の完成品(現物サンプル)」を一緒に渡す
図面は二次元の情報ですが、実際のモノには面粗度や角処理、微細な感触といった「三次元のリアル」が詰まっています。
新しい加工屋さんに現物を渡すことで、「あ、この角はこれくらいRをとっているな」「この面は削りっぱなしではなく磨いているな」と、図面に書かれていない仕上げの意図が一発で伝わります。
2. 図面に載っていない「こだわり」と「妥協できる点」を書き出す
長年の付き合いの中で、前の工場が「言われなくても気をきかせてやってくれていたこと」をリストアップします。
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譲れないポイント: 「この穴は軸を圧入するので公差の上限ギリギリを狙ってほしい」「この面は外観部品なので傷厳禁」
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緩和できるポイント: 「ここは隠れる場所だからツールマーク(削り痕)が残っていてもOK」
「どこに気を遣うべきで、どこで力を抜いていいか」がクリアになると、新しい加工屋さんも見積もりが引きやすく、加工コストも抑えられます。
3. 最初からロット手配せず「まずは数個の試作流動」を行う
どんなに念入りに打ち合わせをしても、最初の1回目で100%前の工場と同じ出来栄えにするのは困難です。
まずは数個だけ試作として流し、実物を確認してから量産手配に進む。この「ワンクッションの確認工程」を入れるだけで、大損害につながる手戻り事故を未然に防げます。
ブラックボックスを解読する「通訳」が必要なとき
「そうは言っても、前の工場がどんなこだわりで作っていたか調達側でも分からない……」というケースも多いはずです。
そうした場合は、現物サンプルと図面をそのままSOUKEIにお渡しください。
僕たちがプロの目で現物と図面のギャップを読み解き、「前の工場はここでこういう加工をしていたはずだ」と分析した上で、新しい加工屋さんへ正確な「仕様書」として通訳します。
暗黙の了解を言葉にして新しい現場に渡す。これこそが、サプライチェーンを途絶えさせないための確実な引き継ぎです。
次回予告:セカンドオピニオン(代替ルート)を平時から用意しておく防衛策
次回(第45回)は本シリーズの最終回として、「廃業の連絡が来てから慌てないために、平時から取り組んでおくべきセカンドオピニオン(代替ルート)の作り方」についてお話しします!
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!また次回お会いしましょう!
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SOUKEI
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